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チェコでのマダニ対策

チェコでのマダニ対策

 

チェコでは3月から11月にかけてマダニ が活動し、ダニ媒介性脳炎やライム病を媒介するリスクが高まります。チェコはダニ媒介性脳炎(TBE)の流行地域です。年間、約500~1000例が報告されており、2022年には710例が確認されました(出典:欧州疾病予防管理センターECDC)。

チェコではマダニに対する対策が積極的に行われており、春先になると、街中でマダニ対策のポスターやニュースがよく見られるようになります。しかし、実際にワクチンを受けている割合は33%にとどまっています(出典:pozorkliste.cz)。

マダニとは?

マダニのエサは動物の血です。

マダニの大きさは、幼虫だと0.5㎜ほど、成虫だと2.5~3㎜にまで成長し、目でも確認できます。

唾液に麻酔様の物質が含まれているため、咬まれても痛みはなく、気づかないうちに咬まれていた、ということもあります。マダニは一度皮膚に食いつき吸血を始めると、その場で1週間前後も血を吸い続け、その間に体は1㎝ほどにまで膨れ上がります。吸血し終わると自然に脱落します。

 

ダニ媒介性脳炎 はウイルスが原因の脳炎で、主に中央ヨーロッパから北欧、旧ソ連地域に広がる風土病です。1週間~2週間程度の潜伏期の後に、夏風邪のような症状が数日続きます。続いて1週間程度の間隔をあけて、頭痛・高熱・吐き気・意識障害・麻痺・感覚障害等の症状が出てきます。発症した場合は、致死率が1~5%程度あり、頸部から上腕の麻痺等の後遺症が残りやすい厄介な病気です。(出典:外務省web)

 

マダニはライム病 という病気も媒介します。こちらは細菌感染症で、予防接種はありません。感冒様症状や発赤などの皮膚症状で始まり、次いで心血管系、中枢神経系の病変が見られ、その後関節、皮膚などに慢性病変が見られるようになります。感染した場合、抗生物質での治療が必要です。(出典:外務省web)

 

全てのマダニがウイルスを持っているわけではなく、また、咬まれたら必ず感染するわけでもなく、また他の感染症と同じで、感染したからといって、必ず発症するわけでもありません。

ただ、運悪く発症した場合、命にかかわる重篤な症状や神経障害を引き起こす可能性があり、注意が必要なのです。

また、人から人への感染はありません。

 

【刺されないための予防】

  • DEET成分が30%以上含まれる強力な虫よけスプレーを使用しましょう。
  • 草が足首を超える長さ以上あれば要注意。草むらに入る際は、長袖、長ズボン、帽子を着用し、肌の露出を最小限にします。ズボンのすそを靴下や長靴の中に入れる、登山用スパッツを使用する等の工夫も有効です。特に山や森へ出かける予定のない人も要注意です。都市部の公園の芝生にもマダニは潜んでいます。
  • おうちに帰ったらすぐに服を脱いで全身(特にわきの下、膝の裏、頭皮)にダニがついていないかチェックしましょう。湯船に使っても食いついたマダニが皮膚から離れることはありません。全身をしっかり観察することが大切ですが、マダニは見にくい部位によく食いつきますので、手で触ってはじめて気づく場合もあります。

 

【ワクチンで脳炎予防】

ワクチン接種が脳炎予防に有効です。

通常は3回接種で、3年から5年有効です。

1歳以上の子供(子供用ワクチン)、と成人が接種対象です。50歳以上の方は、健康保険のカバー対象です。

 

≪ワクチン接種のスケジュール≫

大人

1回目から1~3か月あけて2回目を接種します。

この2回目までが3月~4月に終了するように1回目を接種しましょう。

3回目は、2回目の接種から5~12か月後に接種します。

例)1回目・・12月~1月頃

  2回目・・3月~4月頃

  3回目・・11月~翌年3月頃

その後の追加接種は、3年後です。

 

子供

1歳になれば接種が可能です。

1回目の接種から2週間~1か月あけて2回目を接種します。

3回目は、2回目の接種から6か月後に接種します。

 

【マダニに刺されたら!】

  • ダニに刺されたら、2時間以内にウイルスの感染が始まると言われています。見つけたら、早急に取り除くことが必要です。
  • 無理に引っ張らず、専用のピンセットやダニ取りカードを使って、頭部を残さないように根元から垂直に引き抜きます。 無理に引き抜こうとすると、マダニの一部が皮膚内に残って化膿したり、マダニの体液を逆流させてしまったりする恐れがあるので、丁寧に取り除きましょう(出典:厚生労働省web)。
  • マダニを除去したら、患部を消毒し、数週間は発熱や頭痛、紅斑(ライム病の兆候)がないか注意し、異常があればすぐに受診しましょう。

 

チェコ人を対象にした調査では、回答者の3分の1が近くがダニ媒介性脳炎は抗生物質で治療できると誤って信じていることが明らかになりました。またこの病気の病原体そのものを標的とした特異的な治療法が存在すると誤解している人も多くいます。実際は、症状の緩和のみで、脳炎に対する抗ウイルス薬はありません。

ワクチンで適切に予防策をとりましょう。